「8020運動」という言葉を耳にしたことはありませんか? これは「80歳まで20本の歯を維持すること」を目的に、厚生労働省や日本歯科医師会によって推進されている取り組みです。できるだけ長く健康な歯を保ち、自分の歯でおいしく食事をしたい……多くのみなさんがそうお考えのことでしょう。
健康な歯を長く保つためには、子供の頃からお口のケアを習慣化することが重要です。乳歯は大人の歯に比べて歯質が弱いため、虫歯になりやすい歯。その歯を守らないと、次に生えてくる永久歯にも悪影響が出てしまいます。歯科先進国スウェーデンでの研究によれば、虫歯の感染時期が早ければ早いほど将来的に虫歯になりやすいので、幼い頃から歯のケアを習慣化してお口のトラブル予防につなげましょう。健康な歯をいつまでも保つカギは、子供時代にあるのです。
お子さんの歯の定期的な検診の際に、行っていることと気をつけていることをご紹介します。
- クセなどをふまえた丁寧な歯みがき方法を教えます
- 治療法や症状をおうちの方にしっかりご説明します
- 「れんらくノート」で歯をチェックします
- お子さんの気持ちを大切に、笑顔とやさしい声かけを忘れません
- 検診が終了したら、盛大に褒めてあげます
毎日の歯みがきのこと、おやつのこと、クセのことなど、お子さんに関する情報をご記入ください。
診療室で、お顔やお口の写真を撮影します。お子さんのお口の中は、成長とともに変化します。その過程と状態を記録に残すのです。
歯茎の状態、虫歯の有無などを検査します。必要な場合は、応急処置を行います。
お口の汚れ(歯垢)がどの部分についているか確認し、記録します。カウンセリング室に移動したら、歯垢の中の虫歯菌などを顕微鏡で一緒に観察し、虫歯についても説明します。
染め出し液を使って歯垢に着色し、みがけていないところを確認してもらいます。そして正しい歯みがきの練習をします。
歯科衛生士が歯をクリーニングしてからフッ素塗布を行います。
治療が必要な場合は続けて行うか、後日来院していただきます。
みがき残しのあった部分やお口の状態を、受付で「れんらくノート」に記入します。撮った写真もファイルにお入れします。
奥歯の細い溝は虫歯になりやすい場所。そこをあらかじめレジン(歯科用プラスチック)でふさぐ処置(シーラント)をします。
歯の表面にフッ素塗布することで、歯質を強くし、虫歯になりにくい歯を作ります。
毎日のお口のケアが虫歯予防の基本です。そのための歯みがき指導をします。親御さんの仕上げみがきのコツもお伝えします。